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昨年よりスタートしたもてぎEnjoy耐久レース通称「Joy耐」。昨年もCRTAのドライバーは参戦していたが、CRTAとしては今年が初参戦。昨年の結果を見ても燃費の面から小排気量車が圧倒的有利なレースだが、勝つことよりも楽しむことを第一目標に、しかし当然ながら負けることなど全く考えていないドライバー達であった。
マシンはお馴染みアルテッツァ。燃費面とタイヤ消耗でかなりのハンディはあるがそこは経験豊富なドライバーでカバー。圧倒的多数のホンダ車に一矢を報いるため数々の作戦を練り本番に望んだ。
金曜日の公開練習では、雨の中総合5番手のタイムをマーク。ABSを装備したバランスの良いアルテッツァはインテグラにひけをとらない速さを見せつける。もちろんドライバーの力も絶大だ。スタッフ達は予選、決勝もこのまま雨を望み続けた。
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そして迎えた予選は、チーム全員の願いがかない、朝からどしゃぶりの雨!第1ドライバーの菊池YAS選手は水を得た魚のようにピットロードを勢いよく飛び出していった。
周回ごとにどんどんタイムアップするYAS選手。1回目の短い15分の予選が終了したとき、結果を示す電光掲示板の一番上にはなんと「ゼッケン37 CRTA・トムス・アルテッツァ」が記録されていた。
続く2回目の予選では川崎選手がよりタイムアップをはかるためインターバルで思い切ったセッティング変更!しかしこの勝負に出た賭けが裏目に出て惜しくも後退。結局インテグラ勢2台に先行されたものの堂々の3番グリッドを確保した。 |
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上々のグリッドで7時間後のチェッカーに向けて大きな期待を持ち望んだ決勝は、期待に反して穏やかな晴天となってしまった。しかも日が登るにしたがって気温がぐんぐん上がっていく。タイヤの消費が激しい我がチームにとってはレース前から辛い展開が想像できた。
午前11時、2周のローリングのあと76台のマシンが7時間後のゴールに向けて一斉にスタートした。序盤から快調に飛ばすインテグラ勢の中で燃費の面から回転を抑えて周回を続けるYAS選手。クルマをいたわりながらそれでも19秒台のハイペースでの走行はさすがだ。
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そして1スティント目の走行もそろそろ終わり順調に1回目の給油を迎えたようとしたそのとき、なんとデフトラブル発生!デフポンプが壊れ修復に30分を費やしてしまった。やっと修理が完了し、驚異的なラップで挽回するも今度はオイル漏れで無情のオレンジディスク!再びピットに入りピットスタッフの懸命の作業が続く。結局オイルパンの修理に約20分も要し、致命的なタイムロスとなってしまった。
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序盤で一気に勝負権を失ってしまった感のあるCRTAだったが、ドライバー以下スタッフ達は誰一人諦めなどしない。何が起こるか分からない6時間後のゴールに向けて青木、石原両選手を含めた4名のドライバーは黙々と力走を続けた。
圧巻だったのは雨が降り始めたラスト2時間、序盤のオイルパンからのオイル漏れがクラッチに伝わり完全に滑り気味のクルマで、なんと24秒台!!という驚異的なラップで走行を続けた!順位に大きな変動は期待できなかったもののこの鬼神の追い上げは、その時間帯において間違いなく最速の1台であった。 |
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あたりが暗くなり始めた午後6時、トップのマシンにチェッカーフラッグが振り下ろされた。ピットクルー全員が待ちかまえる中、ラストドライバーのYAS選手がサインガードに近づきながら無事チェッカー!!数々のドラマがあった「2002Joy耐」は、結果はともかくクルー全員が耐久レースを存分に楽しみ完走を喜んだ。
ちなみにチーム監督のレース後のコメントは・・・「よしっ、来年もいくぞっ!!」であった。
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